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CBエフの思い出

CB750FB・エフの思い出

1981年秋、発表されたCB750FB!
オートバイ雑誌で見たそのスタイルに一目惚れ…
知り合いのいるベルノ店へかっ飛んで行く!
キャンディーレッドカラーでお願いしまぁ~す!!
衝動購入した、若かりし熱い19歳だった…

数週間後、
新車キャンディレッドCB750FB…
キラキラに輝くエフが届く!!
CBエフの思い出_c0327564_13015981.jpg
私が乗っていたエフではありません、写真はイメージです…(苦笑)

CBエフのスタイルの美しさに見惚れ、
自宅の農作業小屋で暇さえあれば眺めていた…。

同じくして、
モトクロスレースをしていた、友達のHIROがRZ250を購入!
他の友達らもイッキにバイク熱が発症!

今の自動車学校で大型免許が取れるのとは違い、
皆は中免しか持っていなかった時代!
250ccと400ccのバイクが主流…
そんな中に、自分ひとり公安委員会・限定解除ライダー!(笑)
エフで10数台でのグループツーリング、
ひとりツーリングと走り回っていた…。

RZのHIROと早起きし、
蔵王ライン、エコーラインには、
数え切れないほどに走りに行ったあの頃…
エフの車重に対し、250ccの2ストRZの軽さと瞬発力!
明らかにスポーツライディングには雲泥の差があった!

HIROはモトクロスで培われたライディングでRZをコントロール、
エフを駆る俺の後ろから、追い回して楽しんでいる!
RZのあいつとのバトルは、必ず俺が先行させられた…
エコーラインの下りでのハードブレーキングに、フロントブレーキが根を上げる!
バックミラーにチラチラ映るRZにパッシングされ、
何度、ガードレールに突っ込みそうになったことか…(苦笑)

HIROのライディングセンスは最高だったし速かった…
その走りに、重いエフで対抗していたのだから、今考えると恐ろしい(苦笑)
それなりのレベルの走りをしていても、ふたりとも転ぶ事はしなかった…
ギリギリのところで寸止め!(笑)

この二年間のHIROとのバトル、
スポーツライディングの基盤を自分に構築させていた…
後に乗ったRS125レーサーなんて、
エフの重さからしたら、50バイクのように感じた…(笑)

世のバイクブームと共に峠を走るライダーが急増!
峠が走りづらくなってきた…
そして、峠でのアベレージスピードが遅く感じたし、
それ以上に、ミスした時の外的な要因が命取りとなること…

ふたりとも、このまま一般道で走りを楽しむにはリスクが大きいと感じた。
そんなある日、HIROから、
 「これからは、モトクロスに専念する!」
自「じゃぁ、俺はサーキットに行こうかと思うんだけど…」
H「お前はやめておけ!」
自「何でだよ?」
H「…突き詰めるタイプだから死ぬから!」
 「ロードレースはよせ、俺と一緒にモトクロスしろ…」
自「いや、俺はお前に勝てる気がしない、だからロードレースに行く!」
H「勝手にしろ…」

1983年春、SUGOサーキットライセンスを取得!
エフの保安部品を取外し、軽トラに積んでSUGO初走行に向かった…
シングルシート、バックステ、トマゼリー、ゼッケンプレート、K300タイヤ(当時はGPはない)
ドレインボルトワイヤーロック、オイルキャッチタンク…
残念なのは、ノーマルマフラーだったことか(笑)

それでも、エフのサーキット仕様、
当時としては何となく様になっていた?!(自己満足か?)
サーキットスポーツ走行はRZが全盛の時代…
当時はナナハンをSUGOサーキットに持ち込んでいるライダーは皆無…
パドックでは異彩を放っていた!(苦笑)

「はじめてのおつかい」ではなくて、ドキドキの、初スポーツ走行!
2本のストレートが長く感じたし、コースの幅がとても広く感じた時間…
30分ののスポーツ走行の後半、
だいぶスピード感覚も慣れてきた!

パスされてばかりでは悔しい、
エフと自分の小さなプライドが許さない…(笑)

第5コーナーで、
簡単にパスされた、SP400仕様のライムGPZ400、
アイツに付いて行こうと、アクセルを本気で開け始める…

最終シケイン、
今までに無く、大きいアクセル開度と、タイミングを変えGPZ400に照準をあわせた!
立ち上がりでは少し離された、
ストレートスピードはこちらに分がありジリジリ追いついた…
メインスタンド前、スピードは180km/h超えてGPZ400をパス…

’83当時は、第一コーナーはシケインも無い頃、
何Rコーナーかは記憶に無いが、かなりの高速コーナーだった。
そして、上り勾配が付いていた…
(ここでヤマハライダーの高井幾次郎さんが亡くなっている)
4速までシフトダウンし進入した!(ドキドキ)

ほぼ、平坦なストレートからブレーキング、
バイクのフロントが下がり、右にエフをバンクさせながらアクセルを開け始める!
上りの勾配にかかると同時に、
210kg超えのエフ、その分の大きな慣性モーメントが掛かり車体は沈む!!
沈みがリリースされた瞬間、イッキに伸び上がる車体…

リヤサスとフロントの押さえが利かなくなったと同時に、
エンジン重さがかかったマウントラバーがヨジレた!
強くはないフロントフレームにそれらが重なり乗っかかる…
ハンドルがアウトに、
上体を吹っ飛ばすかの勢いで左右に大きく振れた!
「ヤバい!」…瞬時に地獄を覚えた!(苦笑)
必死で、上体と上腕でハンドルをしがみつき押えた?!
何とかエフを抑えきり、転倒させないで済んだ…
「口から内臓が飛び出しそうだった!」
今まで味わったことのない恐怖体験に、
心臓をバクバクさせたままピットに入った…。

150km/h超えた速度で、ぶっ飛びそうになる体験…
サーキットは、一般道には無いハイスピードライディングであり、
危険と、常に隣り合わせなのだと実感した…
もし、コカしたら自分とエフのダメージはかなりだったろう?!
今、思い出しても背筋が凍る!(苦笑)

この時に、エフでのサーキット走行は、
それなりの補強・改造を果たさないと無理だと悟る…
ましてや、レーシング走行の初心者にはエフで走り込むなど無茶なこと?!
4コーナーのように回りこんでいる高速コーナーでは、
※進入が160R~140Rに変化するコーナーだったと記憶する。
エンジンと車体の重さの慣性に、
フレームが負けて、グワァングワァンとアウトへアウトへと膨らみ出す!
車重に対して、フォークも細くフレームヘッドも間違いなく弱い…

エフは、スーパー?ツーリングバイクだったんだ…(笑)
その日の3回のスポーツ走行限りで、
二度とサーキットに持ち込むことは無かった?!
今時代のスーパースポーツとは全く違うレベル…
’83時代のSUGOパドックは、のどかだったなと思い出す…(笑)

でもね、一般道・峠でのエフのポテンシャルは充分だった!
パワーもそこそこあったからね…70psだったかな?
遠出、ツーリングは本当に楽しかった!
その前に乗っていたカワサキ・Z750D1より、
全然、峠をまともに速く走れたし…(苦笑)

燃費も良かった、リッター20~25kmは走ったと記憶する…
そして、19歳から20歳にかけて俺の足となり色んな土地に連れて行ってくれた!!
「女は裏切るが、エフは裏切らない?!」と心していたから…
今の○○好きでは、考えられない若さを持っていた!(苦笑)
エフとの行動すべてが、何よりも濃い「青春の思い出」となる…(笑)

スポーツライディング、
そんな、楽しみ方をエフから教わった!
何よりも、DOHCだと醸し出すエンジンデザイン!
あの独特のエンジン音…
低回転時から加速する時のワワァアアーと独特音…
高回転時の心に響くウォオオオオという雄たけび!
何より伸びやかで上品なスタイリングが最高だった…
今でも、たまにエフが夢に出てくる位に惚れていた!(笑)

あの時の時間は、
純粋にバイクに乗ることが楽しいと教えてくれたエフ!
レースにおいての速さを求めるようになり、
どうしても資金が必要になり、
一度も車検を取ることもなく、市内の喫茶店のマスターに譲り渡した…
だが、寂しいことに、その喫茶店は今は閉店、もう存在はしていない。

たまに見かける、
キャンディレッドのエフを見かけると、
自分にしか分からない傷跡を探すのだ?!
だが、彼女だったエフとは未だに再会を果たしてはいない…

俺は、女性にしろバイクにしろ何時までもひきずる…
実に、未練がましい生き物である?!(苦笑)
今だったら、優しさを持って乗ってあげれるだろうな…
いつか、再会できることを夢見て生きている。

そして、今は亡きあいつ(HIRO)との、
楽しかったバトルの記憶も、頭から消えることはない!

「リターンライダーのひとり言」

by srv250kaze | 2017-01-03 13:04 | バイク&ライディング話

バイクとライディングのことを、勝手気ままにつぶやきます!バイクの記録簿としても活用中。


by sora9414kaze
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